第一種放射線取扱主任者の勉強法 ~ぐーたらチャンマーの勉強箱~

半減期の語呂(ゴロ)合わせや放射線に関するコラムを書いています。一緒にお勉強しませんか?
月別アーカイブ  [ 2013年05月 ] 

J-PARC放射能漏れ事故について考える

※ジェイパークの記事ですが,J-PARCが正しいです.所々 J-PARKになっておりましたので訂正しました.すみません.  チャンマー







さてさて、、、


ここ数日世間を賑わせている東海村の「J-PARC放射能漏れ事故」ですが、、、

東海村とJ-PARC(ジェイ-パーク)を愛するわたくしチャンマーは、毎日苦々しい思いでテレビを見ていました。

 

東海村のHPに掲載されている、事故の内容と経緯は以下の通りです。


原子力機構J-PARCハドロン実験施設における放射性物質の漏洩について

5月24日午後9時40分ごろ,(独)日本原子力研究開発機構東海研究開発センター原子力科学研究所
JーPARCハドロン実験施設において,放射性物質の漏洩があったとの報告を受けました。

1.発生日時:平成25年5月23日(木)11時55分
2.概要   :ハドロン実験施設において標的(金)に想定以上のビームが照射
         標的(金)が高温となり,その一部が蒸発し,生成された放射性物質が施設内に漏洩
         本事象により施設内が汚染されたと共に,放射性物質が管理区域外に漏洩
         研究者が被ばくした模様
3.放射性物質の漏洩
        :あり(建屋内床面約30Bq/cm2,管理区域外への漏洩は評価中)
4.環境への影響
        :調査中

※ 現在,モニタリングポストの値に有意な上昇は見られておりません。
※ 事象の原因,被ばくの有無,環境への影響について,立入調査を行うと共に,徹底的に究明をし報告することを求めています。




今回の事故、最初に報道されたときに、私はまず「誤作動?誤操作じゃなくて?」と思いました。

ビームラインでは、ビームの出力などを人が入力します。
入力する人が数値を間違ったなら誤操作であり、操作する人の教育や、人的ミスを防ぐ方法が検討されるべきですが、原子力機構や高エネ研の落ち度とまでは言えないと思います。

しかし、きちんとした数値を入力したにも関わらず、違う動作をした(今回は指定の400倍の出力が出た)という誤作動であれば、非は完全に運営者のほうにあります。

いろいろな報道資料をみると今回はまさに誤作動によって引き起こされ、さらに判断ミスによって被害が拡大した被曝事故であり、責められるべきはまさに運営者(つまり原子力機構と高エネ研)ですね。



私は第一種放射線取主任者の法定講習を東海村の原子力機構(正確にはその下部組織の原子力人材育成センター  )で受講しており、その際特別にJ-PARCの見学もさせていただいています。
ですので、原子力機構の方々がとても優秀で、真摯に仕事に取り組んでいることも知っています。

だからこそ、苦々しい思いでいっぱいなんです。


J-PARCのホームページのトップに、今回の事故の被ばく者についてのお知らせがのっています。トップページのリンクはこちら→J-PARC
被ばく者の一覧を見ると、内部被曝をしたのは施設の職員だけではなく、施設の利用者であった大学院生や、民間企業会社員などが含まれています。まだ20代前半の、未来有望な青年が知らずに被ばくしてしまったのかと思うと暗澹たる気持ちになります。


私は、放射線取扱主任者です。
もし、私の管理する放射線施設で、利用者が間違ってRI試薬をぶちまけたり、火災がおきたり、あるいは巨大地震が起きてかなりの被害が想定される場合などには、
私は最初に現場に行くことが求められていますし、それが自分の仕事だと思っています。
だって誰かが被害状況を調べなかったら、何もできませんよね。
この仕事に就くときに、それくらいの覚悟はしました。
危険なところに飛び込む可能性があるからこそ、必死で知識武装しなくてはいけないと今でも思っています。

しかし、RI施設を利用する人、ましてや放射光施設だけを利用している人は、そこまで被ばくの覚悟している人は少ないのではないでしょうか?


飛行機に乗るときに、最初に非常時の説明を受けますよね。
うんうんと聞いたり、パンフレットを眺めていても、心の中は楽しい旅行の計画でいっぱいです。

しかし乗客の命を預かる、パイロットや客室乗務員たちはまさにこれからが仕事だと、気持ちを引き締めていると思います。覚悟の度合いが全然違いますよね。

「施設のプロがいる、きちんと管理してくれている」という安心感があって、初めて利用してくれているのです。

それを今回裏切ってしまった・・・ということが本当に残念でなりません。



それから、今回の事故では、事故の報告が遅れたことも大きな問題になりました。
世間では声高に、「ほれみろ、だから原子力なんてダメなんだ!」という方もいます。

しかし今回の事故を起こした施設、JーPARCのハドロン実験施設は、「原子力の光と闇」の中でも非常に「光」の分野、世界の最先端研究を担っている場所です。

少し前に、ヒッグス粒子が発見されたと、世界中がお祭り騒ぎだったのを覚えているでしょうか?
あの世紀の発見は、CERN(欧州原子核研究機構)のHLC(大型ハドロン衝突型加速器)でなされました。

正直言って、私はもう、ヒッグス機構は理解できません。
ものすごく噛み砕いて、簡略化された説明を聞けば「ああ、そういうこと。なんとなくわかった」とは思えるかもしれませんが、本質を完全に理解することはできないと思います。
それがアインシュタインやピーター・ヒッグスのような天才との差であり、私の個性でもあると思っています。
頭脳の限界を感じるということは少し寂しい感じもしますが、「どれだけトレーニングしても絶対ボルトより早くは走れないな」という気持ちと同じです。

だから、ボルトが走るのを見てドキドキするように、天才達が素粒子の研究に挑む姿をみるとワクワクして、応援したくなります。皆さんはどうですか?
今回の事故はこういう天才的な頭脳を持つ人(とそれを支える人)たちの間で起きてしまい、多くの被ばく者をだしてしまいました。
誤作動も多い装置だといいます。設計も運営も、とてもとても難しいのでしょう。
でも、それでももっともっと気をつけて、今後二度とこういう事故が起きない様にして欲しいと切に願います。
それでも万一事故が起きたときには、きちんと情報公開して、今まで応援してくれていた一般の人を悲しませないでください。

安全で、より開かれたJ-PARCとなり、再開できるようになることを願っています。


チャンマー


写真はJ-PARCの見学時に撮った写真
写真12


資格ブログランキング参加してます。バナーを押して応援していただけるとすっごく励みになります!
にほんブログ村 資格ブログへ
にほんブログ村

関連記事
プロフィール

チャンマー

Author:チャンマー
地方都市で2児の子育てに追われる30代主婦が、
限られた時間の中で,どうやって勉強して第1種放射線取扱主任者の資格取得をしたかを書いていきます。
いっしょにがんばりましょ~!

※本ブログはリンクフリーです。
承諾なしにリンク貼っていただいてかまいません。
コメント・トラックバック大歓迎
お待ちしています!

ランキング参加してます
ランキング参加してます
励みになります。応援よろしくお願いします。
FC2ブログランキング参加中
ブログランキング参加してます。 押してくださると励みになります。

FC2Blog Ranking

FC2カウンター
現在の閲覧者
スポンサーリンク
PR